「おいで」という言葉から、4人の3~4歳児へ想いが飛んだ夜

先日、朝ドラを録画で見ていたら、心に残るシーンがあった。
【長女(喜美子) を真ん中にして、両隣に次女(直子)と三女(百合子)。 三姉妹が川の字になって布団に入っている。

長女は考えごとがあって眠れない。 ふと横を見ると次女が目を開けている。
「起きてたん?」と尋ねると、次女は「怖い夢を見た」と言う。空襲でみな逃げて行くのに自分だけ置いて行かれた(手を繋いでいた姉と はぐれた)幼い頃の怖くて心細かった記憶がトラウマになり、夢になって時々現われるようだ。

長女は言う。「こっち、おいで」。
今はもう女学生になった次女は照れて断わるが、長女は続ける。
「ええから、おいで。手ぇ繋いで寝よ~」】

 

「おいで」って いい言葉だなぁ。その言葉の先には「何か温かいもの」が待っている予感がする。
幼い子なら、「抱っこしてもらう」とか「膝に座って絵本を読んでもらう」など。

もう少し年齢があがると、「一緒に遊ぼ~」など、 ちょっと年上の子から誘いの言葉が続いたり・・・。
おとなだって・・・きっと、心が穏やかになるようなことが待っているはず。

 

そんなことを考えていたら、音楽友達の  L さんが、朝ドラよりもっと早くに(って NHKと張り合う必要もないが) ツイッターで書かれていたことを思い出した。 幼かったお嬢さんとのエピソード。 そこにも「おいで」という言葉があった。

 

L さんがご了承くださったので、ここに抜粋させていただく。

【まだ3~4歳だった娘が、寒い時期に裸足で 廊下を走ってトイレへ行った。
「寒いのに裸足で行って・・・」と思い、トイレから出て来た時、「おいで」と抱っこして居間へ。
その後、 私も(靴下は履いていたが、スリッパを履かずに)トイレへ行った。
出てくると、娘がスリッパを持って待っていて、ニコッと笑って  私のスリッパを並べてくれた。】

 

いいなぁ。こういうエピソード。
寒い時期に 裸足で走ってトイレへ行った 幼いお嬢さん。
足が冷たいだろうに・・・と思い  抱っこして居間へ行くパパ。
その後、 ニコッと笑って、パパにスリッパを並べてくれるお嬢さん。( こんなに ちっちゃいのに 優しい仕草ができるのねぇ)。

愛情が循環している。

 

廊下をトントンと駆けていく可愛らしい足音。
「おいで」と 娘に呼びかける優しいパパの声。
スリッパを揃えて差し出しながら にっこり笑う幼い女の子と、パパの笑顔・・・。
そんな音声と映像が浮かび、私は幸せな気持ちになる。

 

そういえば、このブログに「幼稚園児の発見」というタイトルで書いたことがあった。  ↓ 

yugure-suifuyou.hatenablog.com

 「お」の後には嬉しい言葉が、「あ」の後には嫌な言葉がやってくる、という発見。   改めて 幼い子の感性の素晴らしさを思う。

そういえば、L さんの「おいで」も「お」で始まっているなぁ・・・。
「お」の後には嬉しいことが待っている。(パパが抱っこしてくれた ♪ )

 

実家の母が応募した「はがきの名文コンクール」の受賞作にも、3歳にして心優しく頼もしい「小さなお父さん」が登場する。  ↓

この時から17年。 快人(かいと)君は、お母さんに 心の中でずっと抱きしめられて、今夏20歳になった。
「幸せになってください」と遠い空の下から  私も祈る。


私の娘(小焼け)の 幼稚園時代を思い出す。
ある日、「大きくなったら、警察犬になる」と言った。
「ああ、お巡りさんのことね。みんなを守ってくれる警察官になりたいのね」と私。
娘は「犬(けん)」と「官(かん)」を間違えているのだと思った。
首を横に振りながら 娘は答えた。「ちがう。ドーベルマンとか、そういうの。 犯人を捕まえる かっこいいの」。
 ・・・・・・
「犬」でよかったのか・・・。

 

「おいで」という言葉から、4人の3~4歳児に想いが飛んだ夜。