えっ、学年トップ!?  お気を確かに・・・。

最近、塾のチラシがよく入っている。夏期講習の後は 後期受講生募集が始まっているらしい。9 月は無料体験とうたった塾もある。

娘の小焼けは、今まで一度も塾に行ったことがない。本人が言うには、ひいおばあちゃんから手ほどきを受けて、3 歳から始めた○○○ ( お稽古事) が大好きなのだけど、部活もあるし、学校の宿題もあるし、塾に行くと平日の練習時間がとれないのが嫌なのだそうだ。

 

「でもねぇ、受験生だし、塾のこと、そろそろ考えてみたらどう? 仲良しだった先輩のE 君と同じ高校に合格するには、入試の傾向と対策も必要かもよ」と勧めてみる。すると、「お母さん、知らないの? 私、この前のテスト、学年でトップだった ♪ 」と言う。 えーーー! そんな めでたい話、なんですぐに言ってくれなかったのよ。腰を抜かして喜んだのに。 小焼けは続ける、「( 学年でトップだった ♪ ) Mちゃんと仲良しだから、わからないとこは教えてくれるし、先生にも質問に行くし、家でも、聞けばお母さんが ( 参考書を見ながらでも ) 教えてくれるし、なんも困ってないよ」・・・なぁんだ、「学年でトップだった ♪ 」のは M ちゃんね。妙なマをとらないでよ。紛らわしいなぁ。

 

※ 先輩の E 君との恋バナは ↓ こちらです。Mちゃんも登場します 

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私が、捨てずに置いていた複数の塾のチラシを眺めていた小焼けが言う。「大発見だ。これらの塾の、ΔΔ高校 ( E 先輩の高校 ) 合格者の数を合計すると、定員を 100 人くらいオーバーしてるよ」。 ふむ。春期・冬期・夏期講習や入試直前コースだけ受講した人達の数も『当塾の難関高校合格者数』に含まれているのねぇ。各塾が効果的宣伝になるよう工夫をされている。

 

小焼けは「ねぇ、知ってる?東大生の 7 割は、自分の部屋じゃなくて、リビングで受験勉強してたんだってよ」と続ける。そういえば、小焼けも自分の部屋があるのに、帰宅後はずっとリビングにいて勉強したり、寛いだりしている。

ん?? ちょっと待ってよ。突然、疑問が湧く。それって、既に東大に入っている人達に質問してるよね? だから『東大生の 7 割』になるけど、『全国の受験生の内、リビングで勉強した人の 7 割』が東大に合格した訳じゃないよね? えっと、この考え方あってる? はぁ、混乱してきた。 小焼け、やっぱ塾に行ったらどうよ?!

 

その夜、ベッドの中で ふっと思った。『小焼けがリビングにずっといるのは、家族の気配が感じられる所に居たいからだろうか?(年齢的には、家族の存在が時にはうっとおしく、自分の部屋にひとりで居たい頃ではないかと思うけれど )。 人は誰もが、ひいおばあちゃんのように、天寿を全うして安らかに旅立てる訳ではなく、事故や災害で命を絶たれることもあり、予想だにしなかった別れが、ある日突然やってくると、幼くして体験してしまったことが、心の奥底にあるのだろうか? そう思うと不憫で愛おしい。胸の奥がざわざわとする。

 

「ううん」と、もうひとりの私が打ち消す。「リビングにいると勉強がはかどって、将来は  ( 7 割の人が ) 東大に入れる」と半ば本気で思ってるだけなんじゃない?」 願わくば、こちらの方であって欲しいな。 お気楽・ご陽気が我が家のモットーです

 

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