深夜に突然問いかけられる。「プライドってなに? なによぉ~?」

先日、喪中はがきを作りながら、大好きな友の弾き語り(録音)を聴いていた。『 ♪ だけど今は ♪ あなたへの愛こそが ♪ 私のプライド ♪ 』・・・伸びやかで優しい歌声が心地良い。

ん? プライド? この言葉は 何かをきっかけにして 時折 私の心にふっと浮かび上がってくる。

 

時をさかのぼること、およそ 20 年前の学生時代のこと。サークル仲間の のぶちゃんが深夜に突然電話をかけてきた。「夕暮れちゃん、プライドってなに? なによお~。プライドって・・・」。そう言って、電話口の向こうで のぶちゃんは泣いた。 

当時、のぶちゃんには大学 1 年の時からずっと付き合っている彼がいた。交際を始めて3 年目に入った頃で、たまには喧嘩もしていたけれど、ほどなく仲直りするのが常であった。傍から見ても相性の良さげな、お似合いの二人だった。

 

でも、その晩は今までになく深刻そうに思えた。

『彼との間に何があったのだろう?』と心配になったけれど、のぶちゃんが自分で語る以外のことを 私は尋ねなかった。耳を傾けながら、断片的な言葉を繋ぎ合わせ、のぶちゃんが伝えたいことを推し量ろうとしたけれど、「プライドってなに?」の問いかけに応えることは難しかった。そして『あんなに仲良かった二人に 別れ が来るのだろうか・・・』と切なくなった。

 

時は流れ 紆余曲折を経て、のぶちゃんは その彼と結婚した。結婚式での 二人の幸せに満ち溢れた笑顔を見ながら、私も嬉しかった。 

それから更に年月を重ね、現在に至るまでの間には 「あんな男、いつか棄ててやるわ」と LINE が届くこともある。顔を真っ赤にして怒っているスタンプが添えられている。 

(その時の様子は ↓ こんな感じです) 

yugure-suifuyou.hatenablog.com

  

20年前に のぶちゃんが口にした「プライド」って、何を意味し、どんな含みを持っていたのだろう。

辞書には『誇り。自尊心。自負心』とあるけれど、人の思いってそんなに明確に言い切れない気もする。『ここから先は口にしない、行動しない、という踏みとどまる気持ち』とか『恥知らずなことはしない、という気持ち』みたいなものも 微妙にブレンドされているような。 ん? でも 結局 これらは『誇り。自尊心。自負心』という言葉に集約されるのかも。 そう考えていくと、『舟を編む』人達はすごいなぁ。簡潔にここまで まとめられる。『辞書は言葉を渡る、編集者はその海を渡る舟を編んでいく」なのねぇ。(と、思いが どんどん逸れていく)

それから・・・、のぶちゃんの心は あの時 何と闘っていたのだろう。本人は忘れてしまっているかもしれないけれど・・・。20年経っても私はまだ 時折 考える。

友の歌声を聴きながら、そんなことが思い浮かんだ夜。

 

反省:

今年のカレンダーが残り 1 枚になって、何かと気忙しいのに、ぼんやりと こんなことを考えたり、急にブログを書き始めたりして、我ながら ひどく燃費の悪い性分だなぁ・・・。  

明日はがんばるよ。すんごく がんばるつもり。たぶんね・・・

 

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