音楽されど音楽

YouTubeで見つけたこの映像、いいなぁ。カロリーナちゃん ( 撮影時 11歳。ウクライナ出身 ) のバイオリン演奏の技量に感嘆すると共に、聴いている幼い子達が 路上で踊り出し、全身で楽しさを表現している様子に引き込まれる。可愛いなぁ。音楽っていいなぁ。 見ている私も、周囲のおとな達と同じように画面の中に入り込んで 笑顔になる。 ↓

 

子ども達といえば・・・、遥か昔、娘の小焼けをベビーカーに乗せて 夫と3人で出かけた公園の情景を思い出す。

その日は屋外ライブが催されており、世界各地の人々が民族音楽を奏で ダンスをしていた。観客は三々五々 思い思いの場所に座り、たまたま通りかかった人は足を止めて眺めたりという自由さだった。ステージ下の子ども達がリズムに合わせて踊っている。踊るというよりは身体が自然と動いている感じ。まだ幼い子達は、頭を上下左右に振り、膝を曲げ伸ばし、両腕を振リ回して楽しげだ。幼いのでワンテンポ遅れているのもまた愛らしい。

 

私達もステージ近くまで行くと、突然、小焼けが「おー、あー」と大声を発した。見ると、ベビーカーの中で ニコニコしながら、むちむちとした あんよを ぴょこぴょこと上下に弾ませ、同時に両手の指をバラバラに動かしながら両腕も振っている。全身が とてもご機嫌 「小焼けちゃん、楽しいねぇ」と声をかけると、更に張り切って 歌うがごとくに声をあげ、身体を揺らす。まだ言葉も話せない赤ちゃんが、音楽を聴いて楽しさを身体全体で表現している。

その土地に根付いて伝承されてきた民族音楽って 不思議な魅力がある。思えば、まだ楽器も譜面もない大昔から、人々は何かにつけて 手足でリズムを刻み、歌い踊ってきたのだろう。これが音楽の原点なのかしら?

 

ネットで弾き語りライブをなさる Aさんが時々言われる。「仕事が忙しくてね、疲れているから早くお風呂に入って寝ればいいのに、何はさておき 歌いたくなっちゃうのよ。歌うとすっきり疲れもとれる感じなの」。

以前 TVで「安らぎ・癒やし」についての特集があり、その中に『歌うことでも セロトニンが分泌され 心地良くなるか?』という実験をしていた。被験者の頭につけた装置で アルファ波 セロトニンが増えると反応するを測定すると、歌う前や間奏中は 500 だったものが、歌い始めると 3000 まで上昇していた。すごっ。

・・・ということは、Aさんが 言われることは 理に適っているのねぇ。聴いているだけの私達でも「はぁ~、癒やされる~」という感覚になるのだから、セロトニンは聴く側にも分泌されているはず。(就寝前に ライブ録音を聴くのが楽しみな私の1日は、Aさんのお陰で こうして穏やかに終わっていく)

 

ここまで書いてくると「音楽っていいなぁ」と締めくくりたくなるけれど、歴史を遡ってみれば、ナチスワーグナーの音楽をプロパガンダに利用し ユダヤ人を迫害したとされていることが脳裏に浮かぶ。日本でも(一例として、朝ドラの中で)戦争が終わった後に「軍歌で若者を高揚させ、死に追いやってしまった」と主人公の作曲家が悩み、長い間 作曲できない精神状態に陥っていたことを思い出す。当時はナチスも日本も「善きことをしている」として疑う余地すらなかったのだろうけれど。

 

「音楽の力」とはよく耳にする言葉だけれど、「安らぎ・楽しさ」と「怖さ」の両面を持っている。願わくば、前者のみであって欲しいけれど。う~む。この続きは いずれまた。(書きかけてはみたのですが、まとまりません。「いずれ」って いつになることやら・・・。ぼちぼちとブログを続けながら 長生きしていれば書きたくなる日がくるかもしれません) 

 

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