エールを送る、しかし、アイスクリームも探す

「入試もいよいよ佳境に入ったねぇ」と娘 (小焼け) が言う。『おっ!遅きに失する感はあるけど、ようやく受験生の実感が湧き始めたかな?』と私は心の中で呟く。《佳境に入る》の使い方が 微妙に違うような気もする。後で調べてみよう。

私の思いにはお構いなしに、本人は「あれ?《かきょう》ってどんな字だっけ?」と言いながら検索をし,《佳境》という文字をメモ紙に 10 回書いている。小学生の頃から 何か覚える時はそうしていた姿を思い出して、私はちょっと懐かしい。

 

「でねぇ」と小焼けは続ける。「Mちゃんが入試に出かけるから、みんなでエールを送ったよ」。幼稚園時代から仲良しの Mちゃんは、学校推薦を貰って一足早くに入試が始まるそうだ。小焼けが第一志望にしている学校と同じだけれど、この高校には普通科とは別に、医学部・薬学部への進学希望の人が多い科があって、この科だけは推薦入試枠がある。代々医師の家系で ご両親も共にお医者さんであるMちゃんは、同じく医師になることを目指しているとのこと。友達に 分け隔てなく優しくて、いつも明るい M ちゃんはきっと良いお医者さんになるだろう。がんばれ~ Mちゃん。 

 

(Mちゃんはこんな子です) ↓ 

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私:「ところで、どんな風にエールを送ったの?」

小焼け:「Mちゃんには、ずっと心に秘めていた男子 (下級生) がいるからね、( Mちゃんに内緒で 友達 2 人と) その男子の所に行って『Mちゃんが入試に行くから、励ましの言葉をかけてあげて』と頼んだのよ。そしたら、その子は『分かりました。そうします』って答えた。

 でもねぇ、その後、ちっとも励ましに来ないの。『なぁんだ、顔は良いが、性格は悪いヤツなのかぁ』って思って、私達、今日その子に催促しようと決めてたら、3 年のフロアにその子が来ているのにばったり出会ったのよ。そしたらね、『この間から、その先輩を探しているんですけど、なかなか会えないんですよ』って言った。『おっ、探してくれていたのか。良い子だったんだぁ』と思い直したよ。 

で、Mちゃんを連れてきて、顔を合わせて その子に ようやく励まして貰えた。Mちゃんは感激して泣いたよ。その下級生の男子が去った後に、みんなでキャアーキャアー言いながら抱き合って喜んでたら、通りがかった先生が『心を落ち着かせてから帰りなさいよ~』と言われた。先生は私達の様子を いつから見ていたのかなぁ・・・。照れる」

 

小焼けの話はまだ続く。「合格間違いなし、と言われている Mちゃんでも、入試が近づくと不安が増してたのかもねぇ。そっと眺めているだけだった男子に励まされて 緊張が緩んだのなら、良かった、良かった」。

 

小焼けの話を 微笑ましく聞きながら、ふと思う。

最後の言葉って、こっち (保護者) サイドに立って発想してない? 小焼けは Mちゃんと同じそっち(受験生)サイドにいた方がいいんじゃない? 

しかし『小焼けは大丈夫なの?』と言いたい気持ちを ぐっと飲み込む母であった。(平常心、平常心)。気持ちを切り替えて、何か美味しいものを食べよう。( また食べるんかぃぃ?)

北海道のお菓子「白い恋人」のアイスクリーム版が発売されたとか。音楽友達からその話を聞いて、数件のお店を巡ってみたけれど、まだ見つからない。食べてみたいなぁ・・・。よっし、明日もがんばるぞっ。(受験生の母が 頑張るとこ、そこ?)

 

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