地べたに座る少年と 娘の謎

先日から4都府県が3回目の緊急事態宣言の期間に入った。今年の GW も昨年同様 ステイホーム。まとまった時間があればこそ できること ( 例えば、 部屋の模様替えや片付け、手の込んだ料理に挑戦、庭の手入れなど ) をして過ごそうかな。

こんな のんきなことを言っては、変異ウィルスで 日に日に増大する感染者に ご自分の命を削るようにして対応されている医療従事者の皆様に 申し訳ない思いがする。ただただ頭が下がる。 また、お店の営業時間短縮・休業も 昨年から通算するとかなりの数になり、経営者・従業員の方達に思いを馳せると胸が痛む。

 

路上にベターと座って大騒ぎしている 20 代の人達のことを、しょうゆだんご (id:syouyudango)さんが、ブログにお書きになっていた。しょうゆだんごさんの語り口は きっぱりとしていて、実に気持ちよく、それでいて、どこかユーモラスで温かい。

しょうゆだんごさんのブログはここです ↓ 

www.syouyudango.com

  

そういえば、路上に座り込んでいる人達は 10 数年前もいたなぁ・・・と思い出す。同じ (路上座りの) ように見えても、コロナ禍の怖さがなかった あの頃は のんびりしていた。

娘 (小焼け) がまだ幼い頃、一緒に散歩をしていると、地べたに べたりと座り込んでいる 10 代半ばと思われる 少年がいた。すると、小焼けは 私と繋いでいた手を振りほどき、とことこと 彼に近付き尋ねた。「何してんの?」 

座り込んでいる少年と 幼い小焼けの目の高さが同じくらいだったので 視野に入りやすく 親しみを感じて近寄って行ったのか、あるいは レジャーシートも敷かずに地面に座っている姿が不思議だったのか、今となっては 当時の小焼けの気持ちは分からないけれど・・・。

 突然の質問にもかかわらず、少年は答えてくれた。「友達、待ってんの」。 小焼けは「ふ~ん」と答える。(これで納得したのか どうかは分からないけれど、話題を変えて続ける)「あのね、小焼けはお散歩。公園に行って遊ぶの。それから、アイス 買ってもらう」(聞かれてもいないのに、個人情報をダダ漏れさせている) 「バイバイ」と少年に手を振って満足そうに戻ってきた。

  

そして その翌年。浴衣を着て出かけた夏祭りの夜。 ごった返す人混みを避けるように 地べたに座っている人が ここにもいた。何を思ったか、小焼けは また とことこと近付いて行き「これ、買ってもらった」と蛍光色の光るボールと 手にさげた透明な袋の中で泳ぐ金魚を見せ始めた。

ちょっと尖った雰囲気をまとっている 10代後半らしき 少年は、見知らぬ幼児に話しかけられて驚いたようだったけれど、応えてくれた。「これ買うてもらったんか? よかったのぅ。そやけど、はよ~行かんとお父ちゃんとお母ちゃんに置いて行かれるで。迷子になるで」

 

それから更に時は流れ、高校生になった小焼けは、入試前から通い始めた塾がすっかり気に入って 引き続きお世話になっている。高校生クラスは授業終了時間が かなり遅い。電車に間に合うようにと 自転車を走らせていると、コンビニ前の地べたに座っていたお兄さん達に声をかけられたそうだ。「勉強、がんばれよ!」 小焼けは「はぁい、がんばります!」と元気に答えて駅に向かったという。 

その話を学校ですると、同じ塾に通っている男の子達(幼稚園から一緒)が「今度から駅まで一緒に行ってあげようか? 帰る方向が同じだし」と言う。「なんで~?」と小焼けが尋ねると「小焼けちゃん、9年間ずっとバス通学で 自転車に乗り慣れていないから ふらついて危ないし、それにさ、気が付いたら お兄さん達と一緒に コンビニの前に座って おしゃべりしていそうだし」とのこと。

「そっか、地べた ( コンクリートに直に座ると制服 汚れるねぇ、次の日に困るかも」と小焼けは答えたらしい。心配したり 反省するとこ そこだけ?

それからというもの、心優しき幼馴染みの男の子達が3人、小焼けの自転車の前になり後ろになりして、駅まで一緒に帰ってくれるようになった。本人は「気持ちはありがたいけどねぇ、自転車のスピードが合わなくて、余計にぶつかりそうになるよ」と屈託なく笑う。

(追記:後日しょうゆだんごさんがコメントをくださいました。【騎士役を買って出た男の子も頼もしくて、まるで少女漫画の一コマのような微笑ましいシーンを想像しました。ホッコリです】。

しょうゆだんごさんが書いてくださった「騎士役」という言葉から、小焼けの自転車を守るように 前後を走る3台の自転車を想像しました。友情に感謝です)

 

中学生の時は まだあどけない感じだったけれど、高校の制服を着ると急におとなびて見える。制服の力ってすごい? 本人の自覚とは別に、傍から見ると1年生も3年生も同じように 「女子高生」だ。「無邪気さ」が「無防備さ」に繋がることもある ということを伝えなくてはならない時期なのかも。( ← 一般論です。コンビニ前に座って、励ましてくれたお兄さん達のことではありません)

 

それにしても、地べたに座っている人に 小焼けが幼い頃から親しみを感じる (相性がいい?)のはなぜ? 

 

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