木漏れ日の中で ①(友と共に)

遡ること 1 か月。大型連休がスタートする少し前の 4 月下旬に友人 (Aさん) からLINEが届いた。「夕暮れさん、遊びましょ~♪」。可愛いスタンプが踊っている。彼女とは、娘   (小焼け) が幼稚園時代から現在 (高校) に至るまでの長いお付き合い。「はぁい。遊びましょ~♪」と返信すると電話がかかってきた。LINEでの遣り取りが長くなりそうな内容だと 電話の方が手っ取り早い昭和の私たち。「せっかくの連休なのに、子ども達は部活だったり 友達と出かける約束をしちゃって、もう親とは遊んでくれないしねぇ」という話でひとしきり盛り上がる。

その後、A さんは「○○公園のウォーキングコースが整備されたらしいのよ。夕暮れさんと一緒に行ってみたいなと思って。もちろん、夕暮れさんの体調が良い時に・・・ね」と続ける。私が仕事の部署を変わって 時間が自由になったことも、在宅勤務で外に出る機会がぐんと減ったことも彼女は知っている。気候の良いこの時期に外に連れ出そうとしてくれている。いつもこうしてさりげなく彼女は優しい。

 

連休の間に、郊外にある○○公園へ A さんと 車で出かける。○○公園は緑が多く とても広い所で、屋内外のスポーツ施設、遊具、プラネタリウム、様々な名前の広場などがある。森の中にいるような遊歩道や川や池もある。ウォーキングコースは競技場 (サッカースタジアム?) と屋外運動場の外側をぐるりと 1 周するように作られていて、隣のレーンはジョギングコースになっている。

ウォーキングとジョギングはそれぞれに色分けされていて分かりやすい。一方通行だから他の人とぶつかる心配もなく、3 人くらい並んで歩ける幅広レーンの端っこを歩いていれば 後から来る人が追い越す邪魔にもならず 自分のペースで歩ける。足元もウォーキングやジョギングに適した堅さになっているのだろうか、一般道路よりは遥かに歩きやすく、足・膝に負担も少なそうだ。

A さんと並んでゆっくりと歩く。コースのすぐ傍には、屋根付きのベンチがあったり、枝を広げた木々や 愛らしい草花が目を楽しませてくれる。久し振りの野外で、自然と共にいる嬉しさを感じる。

 

帰りには、A さんとのもうひとつの約束、隠れ家的なカフェに立ち寄ってお喋りをする。落ち着いた雰囲気が素敵なお店で、キッシュも美味しい。

A さんが「スマホのアプリにこんなのがあるのよ」と見せてくれた。歩いた歩数、距離、エクササイズ量、消費カロリー、脂肪燃焼量などが自動で記録され、日々の体重変化を示す折れ線グラフもある。「これ良いわね!私もさっそくダウンロードするわ」と言うと、「始めからスマホに入ってる機種もあるし、その場合はアイコンが隠れているので気が付いてないだけかもよ」とのこと。へぇ、そうなんだ。「全てのアプリを見る」からチェックすると、あった! 設定をした記憶がないのに、なんと!驚いたことに機種変更した時期 (2021年) からずっと記録されている。誰にも(持ち主の私にすら)知られずひっそりと 2 年間も毎日毎日 コツコツと・・・。健気っちゅうか、なんちゅうか・・・。ごめんね、と言いたくなる。

遡ってみると 1 日で 20 歩程度しか歩いていない日が数日続いている。入院中だったとはいえ 20 歩!(手術後は回復を早めるために積極的に歩くように勧められていたから、点滴スタンドを押しながらも歩いていたはずなのに、スマホを病室に置きっぱなしにしていたからカウントされていないのねぇ)

 

こうして A さんと過ごした 1 日は心身共にリフレッシュできて、本当に楽しかった。 A さんのお陰で、新緑の美しい木々を眺め、陽の光や風を感じながら歩くことの心地良さを思い出せた。ありがとう、A さん。