やまねこ

2018年11月24日

二人の歌い手さんが それぞれに紡がれる「やまねこ」(中島みゆきさん)の世界に惹かれている。

 

Aさんの「やまねこ」は、ギター1本で語りかけられる抒情的な世界。
この歌詞に登場する女性の、内に秘めた強さと悲しみが ひたひたと伝わってくる。
Aさんの表現力に魅了される。 好きだ。

 

Dさんの「やまねこ」はギターも歌声も力強い。
自分を愛してほしいと叫ぶ女性の姿が浮かぶ。 と同時に 別解釈として、天から貰った唯一の爪を武器に、「何か」に立ち向かおうとする凛とした女性の姿も浮かんでくる。
切ないけど、かっこいい 好きだ。

 

それにしても、『生まれ落ちて最初に聞いた声は 落胆のため息だった』だなんて・・・。この赤ちゃん、可哀想。
みゆきさんの「誕生」には『生まれた時、だれでも言われたはず(中略)最初に聞いた Welcome』 とある。 そうよね。 どの赤ちゃんも、待ち望まれて 笑顔いっぱいで迎えられてほしい。

 

「詞」と「曲」と「歌声」が一体になった時の魅力。
「詩」は、あちらこちらに、想いを飛ばしながら読むのが楽しい。
目を閉じて「メロディ」を追うのも好き。 この箇所は何を表現しているのかと考える。
更に「歌声」が加わると、魅力が何倍にも増す。それぞれの歌い手さんが紡ぐ世界。素敵だ。

 

歌に出てくる女性のことが気になり、歌詞を読み返してみた。
あれ? ロック調のリズムに歌声が伴うと、野生の山猫のようなしなやかさと、立ち向かう強さも感じられ、それが曲の魅力を増しているのに、文字だけの世界では、行間から孤独な女性のシルエットがひっそりと浮かんでくる。


誕生を親から祝福されずにスタートしたこの女性の人生。 天からの贈り物の爪と共に 孤独を抱えて生きてきた彼女には 人の愛し方がわからない。 好きな人ができても、野生の山猫のようにその爪で相手を傷つけてしまいそうで不安になる。 それでも、「愛したい。愛されたい」と叫ぶ彼女の心。

そんなことを想像(妄想?)していると、私は次第に切なくなり 彼女を抱きしめたくなる。


言葉だけの世界に浸ったり、メロディと歌声を伴った世界に魅了されたり…。
久しぶりに ゆったりできる日曜日の昼下がり。

 

(追記: あのぅ…中島みゆきさんが大好きな方達に、おずおずと申し上げます。
上記は私の勝手な感じ方で、詞が伝えようとしているものを、きちんと汲み取れていないと思います。 昔、教科書の問題(別の詩)を解いてみたら、× だったんです。 ううぅう。  だから、怒んないで。)