何が起きてます?(その1)

★訪れてくださった皆様へ。

4か月ぶりのブログ更新となりました。松の内も過ぎ 遅ればせながらですが本年もよろしくお願い致します。

記事更新がないにもかかわらず、訪問してくださった方、過去記事を遡って読んでくださった方、案じてDMをくださった方・・・温かいお気持ちありがとうございました。

ずっと入院していた訳ではないのですが、SNSを繋ぐ気力と体力がなかなか回復せず、今日に至りました。すっかりご無沙汰してしまいましたが、皆様のブログにもこれから時間はかかるかもしれませんが、ゆっくりと楽しみに訪問させていただきます。

闘病日記はブログには書いておりませんが、実は私、かねてより病院とはなかなか縁が切れない生活をしております。今回も一週間から10日くらいで治療・退院できる予定でしたし、元々ブログは月に2 記事くらいしか書いていませんでしたので、皆様にお知らせもせずに軽い気持ちで入院しました。

ところが・・・。(ここから先は、いつも通りの独り言ブログになります。おどろおどろしい表現もありますので、お食事前の方や、気の弱いお方はここまでにしてくださいませ)

 

★「夕暮れさん、残念ながら癌の転移が見られます。こちらは早急に治療を開始しましょう」と主治医の先生がおっしゃる。「えっ!」と心の中で叫びつつ、頭の中が真っ白になる。ようやくこれまでの状態が落ち着いてきて「もうこれで大丈夫」という矢先の転移宣告。

「本当ですか?」と問い返したところで、ドクターが「あはっ、冗談ですよ。転移もなく順調です」と答えられるはずもなく、現実を受け容れるしかないのだと、ぼんやりと思う。

それから後は あれよあれよという間に、手術日が決まり、手術・入院に伴うあれこれの説明が進む。コロナ禍で入院中の面会は家族もできず、手術日のみ 1人だけ連絡のつく場所で待機して、途中で何かあって別の手術に切り替える時の同意書(本人は麻酔で眠っているので)を書いて欲しいとのこと。

 

この病院はこの辺りでは一番規模の大きい病院なのだけれど、主治医の先生は 2,3年で替わられる。今回の先生は明るくていつも笑顔で、「何か質問はありませんか?なんでも聞いてください」などと言ってもくださる。手術に際しても「リスクは一応伝えることになっているので伝えますが、僕の経験上、まずそういうことはないです。」とも おっしゃる。

以前の主治医の先生は「もしも、これから転移があるようなら、うちの病院では手術は難しいので、別の大学病院を紹介します」とおっしゃった。そのことを伝えると、今回の主治医の先生は「だいじょうぶですよ。僕が執刀しますから」とおっしゃる。こういうタイプのドクターには、直感的に不安が伴う。(先生、ごめんなさい!)

 

今までの手術でもそうだったけれど、万一目が覚めなかった場合を考えて 念の為、家族・娘 (小焼け)や、実家の両親に宛てて伝えておかねばならないことなどを記しておく。今回は今までより丁寧に書いておかねばならない気がしたのは何故だろう。

 

そんなこんなで、ひとまず手術が終わった直後に、「夕暮れさん」と名を呼ぶ声が聞こえて目をあけたものの、今まで何度となく経験してきた手術後の麻酔の覚め方と様子が違うことに気付く。表現するのが難しいけれど、両腕を伸ばして空(くう)を わし掴みしたいような苦しさがある。そのことを伝えようとすると呂律が回らない。驚きながら、ゆっくり言葉にしようとするのだけれど、言葉にならない。焦っている内にまた眠ってしまったらしい。次に目が覚めたら病室だった。

翌日までは絶食で、それ以降は重湯から始めて、普通食が食べられるようになれば退院とのことで、ほっとする。

 

ところが・・・翌日、「歯を磨かれますか?」と看護師さんが、水や膿盆?(ソラマメの格好をした金属製のもの)などを用意してくださった。ベッドに腰かけて歯磨きの準備をしようとしたら、急にめまいのような(倒れそうな)感じが襲ってきた。と同時に急激に胃からこみあげてくるものがあった。

 

膿盆が手元にあったので それを手にするや否や、口から真っ黒なものがドクドクドクと出てきた。豆腐を手で握りつぶしたような、形にはならないけれど液体ではないものが、とどまることなく溢れる。「なんじゃ、こりゃー!!」とふざける余裕もさすがにない。何が起こっているのか状況も掴めず、ただただ驚く。

 

膿盆が溢れそうになるのに、まだまだこみ上げてくる。急いでコールボタンを押す。看護師さんが「わぁ」と驚きつつ、もうひとつ膿盆を大急ぎで持って来てくださる。

二つ目も溢れんばかりになってようやくおさまった。吐くだけ吐いたら楽になった。昭和のドラマで、刑事が「吐けー!吐いて楽になるんだ!」と容疑者を怒鳴るシーンがあったけれど、吐くと本当に楽になるのだ(吐くものが違う)

楽になったら、今度は持ち前の好奇心が頭をもたげる。「これはなんだろう?」とじっと眺める。ゾンビが口からドロドロしたものを吐き出すアレみたいだ。少しこぼれたものが台の上に付いている。量が多いと真っ黒に見えるけれど、少量だと赤い。私はどうやら血を吐いたようだ。

おかしいなぁ・・・『美人吐くめぇ』って言うじゃない? なんで吐くの?私。美人じゃないからか?ふむ。 そもそもそれを言うなら『薄命』だわね。楽になったらなったで、オヤジギャグが脳裏に浮かぶ。困ったものだ。

 

はて、どうしたものかと、そのままベッドに腰かけていると、別の看護師さん達が走って来られた。「今、主治医の先生に連絡しました。すぐに来られます。その後、検査室に行きますから」とのこと。

「主治医の先生は この時間は外来診察の筈だけど、それを中断して駆けつけて検査?」と、何か大変なことが起こっているのだろうか?と不安になる。

 

看護師さんは「ご家族にも連絡しておきましたよ」ともおっしゃる。えっ、家族が心配するから連絡しなくても良かったのに、連絡しておかねばならないほどのことが起こってるの? と更に不安になる。

経験の長そうな看護師さんにそっと聞いてみる。「あのぅ、こういうことってよくあるのですか?」。看護師さんは一瞬言葉に詰まられた感じで、すぐにはお返事されなかった。少しして「たまにこうなる方もいらっしゃるようですが」とのこと。「・・・ようですが」ってことは、ご自分は経験されたことがないのかな?つまり、私ってレアケース?と更に不安になる。

 

そんなことを考えていたら、先生が来られて「検査に行きましょう。麻酔で眠って貰うので大丈夫ですよ」とのこと。(また麻酔?嫌だなぁ)

すぐにガラガラと音がしてストレッチャーが病室に入ってきた。「夕暮れさん、検査室に行きましょう!」との声が若々しい。スポーツマンタイプの男性看護師さんだ。ベッドから移乗するとすぐにストレッチャーが動きだす。スピード 速っ!

前々日、手術室に向かう時は女性看護師さんが「エレベーターに乗ります。ちょっとガタンとしますよ。」と声を掛けながらゆっくりと進まれた。それに比べて今回のこの速さは なぁに? そんなに急がないといけないの? ビュンビュンビュン、やたら速い。

傍には 点滴スタンドを押す看護師さんもいらっしゃるはず。みんなでそんなに大急ぎで? 私には天井しか見えないけれど、ぐんぐん進むのがわかる。時々、「ストレッチャー通ります!」とさっきの男性看護師さんが 外来の患者さん達に声をかけながら、上手に舵をとって進まれる。そんなに急がないといけない状況なの?とまたまた不安が上書きされる。

「夕暮れさんをお連れしました!」と男性看護師さんの声が響く。お元気な人だ。頼もしくすらある。

検査室には主治医の先生が手術着?に着替えられてもう待たれていた。さっき病室にいらしたのに、先生も速っ。

 

(今日はここまでです。ひとまず、ご無沙汰のご挨拶まで。「その2」はいずれまた)

 

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