ただ ただ 感謝

母からLINEが送られてきた。祖母がお世話になっている施設から便り(封書)が届いたとのこと。それらを母が写真に撮って、合計3枚 LINE に添付している。1枚目には、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、家族が面会できない状態が まだ当分は続く旨が記されており、2枚目・3枚目には、施設での写真がたくさん印刷されていた。「面会にお越しいただけない時期も長くなり、ご家族の皆様にはご心配も増していらっしゃることと推察致しますので、施設でのご様子をお知らせします」と添えられていた。

 

早速、スマホの画面を拡大して見る。お習字をしている写真。おやつ作りの様子。立派な雛段飾り(雛人形)を背景にして、桃の節句のお祝い風景・・・。祖母はもう自力では起き上がれないので、 おやつ作りには参加できないだろうけれど、それでも、車椅子に座って、できあがった「桜餅に見立てたお菓子」を美味しそうにいただいている。(今までなら、もっと大人数でされていたこれらの行事も、数名ずつに分けて行われているようだ)

施設の庭にある 見事な桜を眺めている写真もある。「ひいおばあちゃん、良かったねぇ。今年もちゃんとお花見してるよ」と娘の小焼けが言う。小焼けが生まれてから14年間続けてきた、4 世代 (祖母・母・私・娘) 揃ってのお花見は 今年は叶わなかったけれど、施設の職員さんのお陰で、祖母は大好きな桜を眺めることができていたと知り、私も幸せな気持ちになる。


そして、文章の最後にこうあった。【施設への入館はできませんが、外から窓越しにお会いになることは可能です。その際には準備等が必要ですので 事前にお知らせください】

この文章を読んで、私は胸が熱くなった。どこの施設でも職員さんの数が足りないと聞いている。更に今回の新型ウィルスに関して 消毒などの感染予防にも気を配らなくてはならなくなり、職員さんの負担は一層 増していることだろう。そんな中にあっても、入居者や家族のことを思い「せめて、窓越しにでも」と言ってくださる優しさ。写真入りで祖母の様子を知らせてくださる心くばり。  私達は ただ ただ感謝する。

f:id:Yugure_Suifuyou:20200411232100j:plain