痛いの痛いの、飛んでけ~

「今日は 私の見ている前で、やたら男の子が転ぶ日だったよ。しかも、すごい勢いでドーン!ってね」と娘 (小焼け) が言う。

★小焼けの話によると、一人目は朝の通学時。バスに乗っていると、いつも途中のバス停から乗ってくる小学生 (低学年 男子) が 今日は家を出るのが遅くなったらしく、乗り遅れまいとして一生懸命走って来るのが見えた。ところが、バスのすぐ傍まで来ると、突然 その男の子の姿が消えた。

ドアが開いたのに乗ってこない。「あれ?」と思って開いたドアから外を見ると、その男の子は転んでいた。早く立ち上がらなくては・・と焦ってはいるのだろうけど、すぐには立ち上がれない様子だった。バスの中の誰かが「一人乗りますけど、転んでいるので ちょっと待ってください」とバスの運転手さんに大声で言ってくれた。

ちょうど乗り口の近くにいた 小焼けがその子を抱き起こしてバスに乗せ、それまで座っていた小学校 高学年の子が「ここに座って」と席を譲り その子を座らせた。見ると膝から血が流れ落ちている。小焼けは満員バスの中で もぞもぞと身体を動かし、自分の鞄の中からティッシュとバンドエイドを取り出して応急処置をしたらしい。こらえきれずにヒック ヒックと泣いている男の子に「小学校に着いたら 保健室に行って ちゃんと消毒してもらってね。血を拭いてバンドエイドを貼っただけの応急処置だから、バイ菌が入ったらいけないからね」と言うと、静かに泣き続けながら、コクリと頷いたとか。「大声で泣かずに我慢しているのが 可哀相だったよ」と小焼けは言う。

小焼けの鞄の中には、手指消毒用の小さなスプレーが入っていたけれど、『これで消毒したら、傷口に沁みて余計に泣いちゃうなぁ・・・』と思いとどまったらしい。お~い、娘よ。それは除菌用とはいえコロナ用だし、傷口の消毒用ではないよねぇ。

 

小焼けのバス通学も、中学卒業と同時に終わる。小学 1 年からの 9 年間で、一緒に通学・通勤する人達からたくさんのことを教えてもらった。自分が低学年の頃は、席を譲ってもらったり、座っている人に重い荷物を持ってもらったりし、学年が進むに連れて 今度は自分が席を譲ったり 荷物を持つようになった。 (詳しくはここです ↓ ) 

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★小焼けの話は、二人目の男の子へと続く。放課後に友達と一緒にバス停まで歩いていると、前方から小学 3, 4 年生くらいの男の子が走って来て、勢いよく転んだらしい。「えー、今日は  2 回目だ。男の子がまた転んだとこに出合った」と驚きながら、「だいじょうぶ?」と声をかけようとすると、その子はむっくり立ち上がり、黙って中指を 1 本立てた後、スタスタと行ってしまったらしい。小焼けと友達は あっけに取られ、「あの子は なんであんな 仕草をしたの?」と理由を考えたらしい。

二人の結論として・・・ TKJC(とても可愛い女子中学生 ←自称 )二人に、転ぶところを見られて恥ずかしかったので「こんなの、どうってことないぜぃ」と強がって見せたのかもしれないね。( 角を曲がって私達の姿が見えなくなったら『痛ぁ~』って泣いたかもよ )。中指を使う動作がどういう意味かは知らずに、TVやネットとかで見て、ちょっと悪ぶったかっこいい大人 ( 本当は違うけどねぇ ) の真似をしたつもりだったのかなぁ?・・・ということに至ったらしい。

 

小焼けと話しながら、私には工藤直子さんの詩が浮かぶ。『のはらうた』に登場する『かまきり りゅうじ』君は、真夏の太陽がギラギラと照りつける中、「おう、あついぜ。おれは げんきだぜ」などと元気いっぱい。でも、時々 甘えて おんぶして貰いたいような格好になってしまって、照れている。 りゅうじ君も、今日の男の子も可愛いなぁ・・・と TSYOは思うのであった。 ※ TSYO=とても素敵な夕暮れおばちゃん ← 小焼けの真似して作ってみましたが、妄想部分が含まれています

 

おれはかまきり    かまきり りゅうじ 『のはらうたⅠ』 工藤直子さん

おう なつだぜ
おれは げんきだぜ
あまり ちかよるな
おれの こころも かまも
どきどきするほど
ひかってるぜ

おう あついぜ
おれは がんばるぜ
もえる ひをあびて
かまを ふりかざす すがた
わくわくするほど
きまってるぜ

 

 

★てれるぜ     かまきり りゅうじ『のはらうたⅡ』 工藤直子さん

もちろん おれは
のはらの たいしょうだぜ
そうとも おれは
くさむらの えいゆうだぜ
しかしなあ
おれだって
あまったれたいときも
あるんだぜ
そんなときはなあ
おんぶしてほしそうな
かっこになっちまってな
 ・・・・・
てれるぜ

 

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何が書きたかったのやら

★ 今月始めの新聞に 心に残る記事があった。北海道の中学生が コロナを心配して、宮城県の祖母に電話をかけると「津波に比べたら屁でもないよ。濡れでないし、寒ぐないもの。どうなっかわがんないごとに人はビビるんだっちゃ。起きで食って寝る。あどはなんもいらんべし」と祖母の元気な声がした、という内容だった。2011 年の東日本大震災で辛い体験をされた方なればこその言葉だと思った。切なくもあり、逞しくもあり、心に染みた。 

ところが、記事からわずか一週間後に、10 年前の余震とされる大きな地震が 東北地方を再び襲った。落下物が散乱して足の踏み場もない中で、TV のインタビューに応じて「災害対策もして、店も新しくして、やっと歩き出せたと思っていたのに・・・」と力なく話される男性の姿があった。心中察するに余りある。あの新聞記事のおばあさんは どうされているだろう。

 

★ 先日までの流れ

職場の B さんがコロナ検査で陽性となった  → B さんの友人の D さんを経て、私の隣のデスクの C さんも陽性? → 私も感染または自宅待機? → 娘の小焼けも感染または自宅待機? → 小焼けは目前に迫っている第二志望の高校が受験できない → 残る第一志望の高校がもし不合格なら? → 本人いわく「来年頑張るしかないねぇ (高校浪人になる)」→「高校浪人は珍しいから、お母さん、ブログに書けるよ。一年間も続けられるよ」 

(詳しくはここです) ↓ 

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★その後~本日までの流れ

D さんも C さんも感染していなかった → 小焼けは第二志望の高校を無事 受験できた → 合格通知が届いた → 『高校浪人ブログ』は幻に終わった → 第一志望の高校受験、合格発表はまだ → 続く

 

タモリさんがストーリーテラーをつとめる TV 番組があったことを思い出す。人生の岐路に立った時、「もしもあの時 別の道に進んでいたら、自分の人生はどうなっていただろう?」と主人公が思いを巡らせ、分岐点まで戻って別の道を進む話。主人公が何人かいて それぞれの話があったけれど、どの人も 別の道を選択しても結局は・・・という結末だったように記憶している。 小焼けはどの道を進むのだろう。

 

私はどうだったかしら?と振り返ってみる。些細な迷いを除けば、高校までは 大きな岐路に立つこともなく過ごしたように思う。大学受験の時に 進みたい科の選択に迷った。あの時 別の進路を選んでいたら、生涯の師や友となった人達にも、夫にも出会うこともなく、その後、小焼けが生まれることもなかった。職業も現在のものとは異なったはず。その代わりに、別のどんな出逢いがあり、どんな経験をしたのだろう?  

そして、祖父母のことを思う。昨年の6月に旅立った祖母は、苦労を抱えながらも頑張り抜いた人だった。私の記憶の中にある祖母の人生を辿りながら「もしも あの時、祖母が別の選択をしていたら・・・」と考える。そうなると、今の私も、私の母も存在しないわけで・・・。更に遡って、祖父母より遥か以前のご先祖様達が 別の選択をしていたとすると・・・。

 

人は 幾つもの分岐点で 選択を繰り返しながら、自分の人生を全うする。どんなに紆余曲折あっても、この世の息が絶える時「ああ、面白かった」と言えれば 「万事良し」かしら? これからも立ち止まっては迷いつつ、進んで行くしかない。 (あら? 何が書きたかったのか、分からなくなってきた。もっと別のことを書きたかったような気もする。う~ん) 混乱しつつも ひとまず「よっし、明日も頑張る(つもり)」と決意。

ところで・・・明日は何を食べよう?(こんなことだから、いつまで経っても 人間に深みが増さないのでしょう)

 

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受験生の母が頑張る とこって、そこっ?

北海道の銘菓「白い恋人」がアイスクリームになり、コンビニで  2月 1日より期間限定 販売されていると聞いて 探してみたけれど、どこのコンビニでも見つからなかった。無いとなると余計に欲しくなるのは私だけ? 

職場と自宅の中間辺りにあるコンビニは、高齢のご夫婦が経営されていて、旦那様はレジを打ちながら世間話など楽しげにされる方だった。奥様はおとなしい感じの方で、アルバイトの人がお休みの場合、代わりに入られているように思えた。

ところが、ある日から 旦那様の姿が見えなくなった。最初の内は『今日はお休みの日なのかなぁ?』と思っていたけれど、会えない期間が長くなると『体調を崩されて入院されたのではないかしら?』などと心配にもなった。 その内、奥様の姿も目にすることがなくなり、入れ替わりのように、息子さんらしい人の姿を見るようになった。その息子さんは ちょっと風変わりな言動をする人で、男性客が大声で「なんだ、その物言いは!」と怒鳴られているのを見かけたこともあった。以前は 選ぶのも楽しみなほど品揃えが豊富だった棚には 空きが目立つようになり、次第に私の足も遠のいて行った。

 

『そうだ、久し振りに あのコンビニに行ってみよう』と思い立った。品数が少なくなっていたあのお店に、「白い恋人」のアイスクリームがあるようにも思えなかったけれど・・・。店内をざっと見渡す限り、あの息子さんの姿はなかった。

アイスクリームのケースに辿り着いて覗き込む。わぁ、あった! 1 個だけあった! でも1個では家族の人数分に足りない。店員さんに「今度はいつ入荷しますか?」と尋ねると、「発注をかけてもウチの店にはもう入ってこないんですよ。商品が売り切れたら終わりで、これが最後の1個だったんです」とのこと。そっか、期間限定と聞いていたし、仕方ない。「でもドリンクならまだありますよ」と教えてもらって それも購入。 うふふ。1個とはいえ、遂に手に入れたわ♪「白い恋人」のアイスクリーム。

 

帰宅して娘(小焼け)にいきさつを話すと、「あ~あ、お母さんの運をここで全部使っちゃったねぇ」と言う。えっ?と私は一瞬考えた後に 思い至る。娘よ、もしかして、母の運までかき集めて受験に使おうと思っていたの? お願いだから自力・実力で受験してよね。 

この貴重な1個のアイスクリームを家族で分け合おうと ナイフを持ってきた小焼けが言う。「こういうのって、江戸時代の長屋の人達みたいで 楽しいね。1匹の魚を『病気のおとっつぁん、おあがり』・・・『いんや、働くお前の方こそ、食べな』とかね」。 

「お母さんの分はいいから、小焼け おあがり」と令和時代の おっかさんも言ってみる ( 慈母である )。「え~、いつものお母さんらしくないよ。お気を確かに」と令和時代の娘は答える。

 

分け合うといえば・・・小焼けが幼稚園児だった時、「お母さん、半分っこすることを、『半分のいち』って言うんでしょ?」と言った。小学生のお兄さんのいる友達が、幼稚園で教えてくれたらしい。

「そっか、そのお兄さんは小学校で分数を習い始めたんだねぇ。小焼けも分数の勉強をしてみる?」と聞くと「うん! 分数する!」と答える。まず最初に「半分のいち」ではなく「にぶんのいち」だと訂正して、食べ物を同じ大きさに二つに分ける練習をしようと思った。

ちょうど、いただき物のカステラが一本あった。小焼けが子ども用 包丁を手に、慎重に二分の一あたりを見定めて切る。息を止めているかのような、真剣なまなざしだ。ようやく切り終わった小焼けは「あれ? こっちの方が ちょっと大きくなっちゃったね」と言いながら、あっという間に 大きい方を ざくりと切って自分の口に入れた。(お~い、食べるんかぁ~ぃぃ?)

「できた! これで、同じ大きさになったよ。 にぶんのいちだね。」とニコニコと満足そうだ。それからというもの、我が家では「二分の一」ブームがしばらく続き、切れそうな食べ物はどれも「にぶんのいち」にされた。「分数って楽しいね」と小焼けは言ったけれど、それって「楽しいね」というよりは「美味しいね」だったのではないだろうか。

 

追記:

白い恋人」のアイスクリームを「お母さんの分はいいから・・・」と言った慈母は、実は 衝撃の新情報を お店の人に教えてもらっていたのだった。

コンビニの期間限定販売はそろそろ終わるけれど、全国のスーパーで3月1日から販売が開始されることを。

むふふ。3月になったら、気が済むまで食べる~~♪

 

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エールを送る、しかし、アイスクリームも探す

「入試もいよいよ佳境に入ったねぇ」と娘 (小焼け) が言う。『おっ!遅きに失する感はあるけど、ようやく受験生の実感が湧き始めたかな?』と私は心の中で呟く。《佳境に入る》の使い方が 微妙に違うような気もする。後で調べてみよう。

私の思いにはお構いなしに、本人は「あれ?《かきょう》ってどんな字だっけ?」と言いながら検索をし,《佳境》という文字をメモ紙に 10 回書いている。小学生の頃から 何か覚える時はそうしていた姿を思い出して、私はちょっと懐かしい。

 

「でねぇ」と小焼けは続ける。「Mちゃんが入試に出かけるから、みんなでエールを送ったよ」。幼稚園時代から仲良しの Mちゃんは、学校推薦を貰って一足早くに入試が始まるそうだ。小焼けが第一志望にしている学校と同じだけれど、この高校には普通科とは別に、医学部・薬学部への進学希望の人が多い科があって、この科だけは推薦入試枠がある。代々医師の家系で ご両親も共にお医者さんであるMちゃんは、同じく医師になることを目指しているとのこと。友達に 分け隔てなく優しくて、いつも明るい M ちゃんはきっと良いお医者さんになるだろう。がんばれ~ Mちゃん。 

 

(Mちゃんはこんな子です) ↓ 

yugure-suifuyou.hatenablog.com

 

私:「ところで、どんな風にエールを送ったの?」

小焼け:「Mちゃんには、ずっと心に秘めていた男子 (下級生) がいるからね、( Mちゃんに内緒で 友達 2 人と) その男子の所に行って『Mちゃんが入試に行くから、励ましの言葉をかけてあげて』と頼んだのよ。そしたら、その子は『分かりました。そうします』って答えた。

 でもねぇ、その後、ちっとも励ましに来ないの。『なぁんだ、顔は良いが、性格は悪いヤツなのかぁ』って思って、私達、今日その子に催促しようと決めてたら、3 年のフロアにその子が来ているのにばったり出会ったのよ。そしたらね、『この間から、その先輩を探しているんですけど、なかなか会えないんですよ』って言った。『おっ、探してくれていたのか。良い子だったんだぁ』と思い直したよ。 

で、Mちゃんを連れてきて、顔を合わせて その子に ようやく励まして貰えた。Mちゃんは感激して泣いたよ。その下級生の男子が去った後に、みんなでキャアーキャアー言いながら抱き合って喜んでたら、通りがかった先生が『心を落ち着かせてから帰りなさいよ~』と言われた。先生は私達の様子を いつから見ていたのかなぁ・・・。照れる」

 

小焼けの話はまだ続く。「合格間違いなし、と言われている Mちゃんでも、入試が近づくと不安が増してたのかもねぇ。そっと眺めているだけだった男子に励まされて 緊張が緩んだのなら、良かった、良かった」。

 

小焼けの話を 微笑ましく聞きながら、ふと思う。

最後の言葉って、こっち (保護者) サイドに立って発想してない? 小焼けは Mちゃんと同じそっち(受験生)サイドにいた方がいいんじゃない? 

しかし『小焼けは大丈夫なの?』と言いたい気持ちを ぐっと飲み込む母であった。(平常心、平常心)。気持ちを切り替えて、何か美味しいものを食べよう。( また食べるんかぃぃ?)

北海道のお菓子「白い恋人」のアイスクリーム版が発売されたとか。音楽友達からその話を聞いて、数件のお店を巡ってみたけれど、まだ見つからない。食べてみたいなぁ・・・。よっし、明日もがんばるぞっ。(受験生の母が 頑張るとこ、そこ?)

 

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忘れようと していないのに、思い出せない

★パソコンを修理に出している間はブログが書けなかった。修理完了して戻ってきたので、その間のできごとを書こうとしたら、あらら? う~ん。平凡な日常生活の中にも何かしら感じることや思うこともあったはずなのに・・・。そんなことを綴りたくて始めたブログだった。(人様のお役には立てそうにもない内容だけど)。う~ん。

スケジュール帳を開いて見る。ジョー・バイデン氏が第 46 代アメリカ大統領に就任して熱く語った日、私のスケジュール帳には1行だけ書いてあった。『○○スーパーのポイント10倍』。同じ1日なのに なんたる違い。

 

スケジュール帳には、仕事とプライベート関連だけで、ブログ用のメモは書いていなかった。え~っと、思い出すまま書いてみようかな。

★昨年の今頃は1日に何回となく (多い日には 19 回) かかってきた義父からの電話が めっきりと減った。会いに行きたいけれど、コロナ禍でそれも叶わないのが寂しい。

先日珍しく電話があった。「夕暮れちゃん、そろそろ引っ越しの手伝いを頼むね」。「はい、わかりました。引っ越しの詳しいことが決まったら知らせてくださいね」と私は応える。

最近の義父には どんな情景が見えているのだろう? 気になって、お世話になっている施設に電話をかける。職員さんは「お元気にされていますよ。私達のお手伝いもよくしてくださって助かっています」とおっしゃる。職員さんのお話によると、義父は自分が施設の職員さんだと思い込んでいるらしい。義父は若い頃からマメな人で、義母と一緒に ご近所の一人暮らしの方達のお世話を よくしていたと 夫から聞いたことがある。

「電話で 引っ越しの話をしていましたが・・・」と言うと、「ああ、転勤が決まったと思われているのでしょう」とのこと。そういえば、現役時代の義父は転勤が多かったとか。義父の心の中は その時代に戻っているのだろうか? もしかしたら、もう亡くなってしまった妻 (義母) も生きていて、一緒にお手伝いをしているのかもしれない。先日の義父の声が明るかったことが嬉しい。

 

1 日に 19 回 電話をくれた義父の話です ↓ yugure-suifuyou.hatenablog.com

 

 ★実家の母からLINEが届く。【朝, リビングに行ったら、お父さんがもう起きていて、新聞を読みながら『今朝は一段と冷えるなぁ』って言うのよ。しかも、セーターの上にダウンジャケットまで着てる。エアコンは風量最大にしてあるのに、確かに室内が寒いのよ。エアコンが壊れたのかと思って リモコンを見ると「冷房」になってたわ (冷や汗をかいて笑っているスタンプ付き)

こんな話は数年前なら 皆で大笑いしておしまいなのだろうけど、最近の父の様子を間近で見ている母にとっては いささか心配で、LINEを送ってきたのかもしれない。母の文面はまだ続く  ( 私の話が長いのは母譲り?) 【お父さんのことも 自分のことも 気にはなるけど、先のことを あれこれ想像して案じるよりは、ひとまず今日 1 日が笑って過ごせればいいよね  ( 笑顔のスタンプ付き )

うんうん。人生、どんなに頑張っても 自分の思うようにはならないこともあるよねぇ。

 

★パソコンを修理に出している間、ずっと訪問できなかった皆様のブログを少しずつ遡って読ませていただいている。その中に 北野トマレ (id:kitano-stop)さんの『今年やりたいことリストをつくるという話』というのがあった。↓ www.kitanostop.com

 トマレさんは( ご存じの方も多いでしょうが)とても上品で美しく 素敵な (← 実際にお会いになられた方が 書かれていた) 歯科医師さん。イラストがお上手で 記事も とても楽しい。読後には 笑顔のプレゼントを貰えるし、感動で胸がいっぱいになる日もある。トマレさんの今年やりたいことは 40 個もあった。

「あっ、私もこれしたい!」と重なるものが幾つもある。大人気のトマレさんと同じだなんて、おこがましいけれど ちょっと嬉しくもある。 中でも極めつきは『ちゃんとした人になる!』だった。いいね、いいね、これ。  よっし、私もがんばる。・・・ ところで、『ちゃんとした人って・・・どんな人?』( お~い、そっからか~ぃ? 私 )

 

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うわわ! コロナ感染?!

日に日にコロナ感染者の合計数が増え続け、遂に私の職場でも Bさんが陽性と判明し、Bさんの所属している所は一時閉鎖され、全員自宅待機になったとのこと。

Bさんと私達の所はフロアが異なるし、かなり離れていて普段は接点もない。ところが、私の隣のデスクの Cさん (後輩の男性) が小さな声で言った。「夕暮れさん、僕はそのことが分かる前に、 Dさん (陽性が判明した Bさんの友達) と 飲食を共にしたんですよ。大丈夫かなぁ?」

 

えっ! 今、ここで それ 言います? しかも愛の告白でもない告りを・・・。(まぁ、愛の告白をされても困るけど)。 もしDさんが感染し、飲食を共にした C さんも感染したと仮定すると、隣のデスクの私も危ない? ・・・ということは、私の家族も? 娘の小焼けは入試  ( 第二志望の高校) が直前に迫っている。もしそんな状況に陥り、自宅待機となれば受験できないよね? 第一志望の入試にはまだ日にちがあるけれど、第一志望に合格できなければ、小焼けは行く高校がなくなる! 元々2校しか受験しないつもりだったし、他の私立高校の願書はもう締め切られている。うわっ、焦る。

 

今日に至るまで、私達も感染しないように頑張ってきた。必要な食料品でさえ数日分まとめ買いをしに行き、それも人の少ない時間を選んで大急ぎで済ませるだけで ゆっくり選ぶことさえしない。帰宅するとすぐに消毒。念入りに消毒。行きたい所にも行かず、会いたい人達にも会わず、細心の注意を払い、ひたすら我慢の日々だった。それなのに、思わぬ所からこんなことに・・・。

 

マスメディアが云っている。『コロナに感染した人達は決して悪くないのです。悪いのはコロナですから』。うんうん。そうよね。特に医療従事者の方達が命を削るようにして闘っていらっしゃる姿には ただただ頭が下がる。感染されたと耳にすると、お気の毒で胸がいっぱいにもなる。

他の職業の方達も、感染予防に精一杯の努力をされている。それでも感染してしまうこともある。身近な所にまで じわりじわりと忍び寄って来ているコロナの恐怖。Bさんも仕事熱心な きちんとした人だったと聞く。誰を恨んでもいけない。

頭の中では分かっているのに、いざ、我が娘のこととなると あたふたしてしまう自分が情けなくもある。

 

帰宅した後、新聞に『いつ・どこで・どの年代の人が・どのような状態で感染したか』が載っているのを思い出した。(個人を特定できないように配慮されている)

少し前に『10代・20代の人達がカラオケで』というのがあった。その内の数名が陽性だったとのこと。この数名は家族と同居していて、彼らの濃厚接触者となった家族のそれぞれの職場・学校でまた陽性の人が出る。こうして、ねずみ算式に増えて行き、回り回って顔も知らない人達を巻き込んで感染が広がっていく。

 

新聞を眺めながら「だいたいねぇ、なんでこの時期にカラオケ?!」という思いがこみ上げてくる。防げる感染もあるんじゃないの? 

また、緊急事態宣言下の東京で、深夜まで銀座のクラブを ハシゴしていた国会議員達がいたそうな。しかも、一人はキャバクラやガールズバーの支払いに政治資金を流用していたとのこと。報道番組を見ながら 怒り心頭に発する。「国民に夜間の外出自粛を求める中で、なんということよ! 個人事業主の中には経営が成り立たなくなって倒産したり、自殺にまで追い込まれる人達もいるのに・・・。役職辞任したとはいえ、こんな議員はアンポンタン過ぎる。大馬鹿タレだ! しかも、なぁに、あの謝り方は!」と口をついて出る。怒りの矛先があちらこちらへと、とっちらかって行く。

 

傍にいた娘が「あ~あ、そんな乱暴な言葉を使うと、ひいおばあちゃんに叱られるよ。ほら、今、お母さんの髪がふわりと揺れたよ。きっとひいおばあちゃんが、お母さんの頭を冷やそうと思ってフーフーと息を吹きかけたに違いないよ」と言う。(髪が揺れたのは怒りのあまり、私が頭を振ったせいだと思うけれど、小焼けが言うように、ひいおばあちゃんが心配してるのかしら?)

 

娘の のんびりした口調に、私は思わず付け加える。「もし、職場の隣のデスクの人が陽性だったら、小焼けだって外出禁止になって、第二志望の高校は受験できなくなるかもしれないのよ。そんなことになったらどうするの ?」。

変わらない口調で 娘が答える。「そうなったら仕方ない。第一志望の高校に合格するように必死にがんばるしかないよ」

私:「高校を1つしか受験できなければ、もしも、もしもよ、第一志望の高校が不合格になったら、小焼けは行く高校がなくなるのよ。どうするの?(こんなことを口にしてはいけないのは分かっているのに ついつい 口にしてしまう。娘よ、ごめん !(3年前は数学の問題で、小数点の人まで小舟に乗せようとしていた小焼けが、数学が得意科目になるほど頑張ってきたのに、受験すらできなくなるなんて、あまりに不憫だ)

娘:「う~ん。そうなったら、また来年挑戦かなぁ。高校浪人ってあまり聞かないから、お母さん、ブログのネタができるじゃない? 1 年も書き続けられるよ」

なんじゃ、この問答は・・・。肝がすわっているというか、なんというか・・・。

 

そういえば、娘宛に色紙が届いたのだった。中学で同じ部活だった先輩達からで、小焼けが第一志望としている高校へ進学した人達からだった。

「小焼けちゃん、絶対合格して また一緒の部活で楽しくがんばろうね」という大きな文字を中心に、受験までに 押さえておかねばならない学習ポイントや 精神面でのアドバイスなど細やかに、温かく頼もしい言葉が並んでいる。小焼けの憧れの E 先輩からのもあった。 《こけたら立ちなはれ。立ったら歩きなはれ》

「うはは。E 先輩ったら、慰めモードに入ってる?!」と小焼けが ゲラゲラ笑う。E 君らしい優しさが伝わってくる。

 

一緒に笑っている内に、命さえあれば、あとは何とかなるように思えてきた。

 

 

仲良しの E 先輩のことはここにあります ↓ 

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パソコンが不具合を起こし 修理に出しておりました。コメントやスターをくださっていた方達へのお返事がすっかり遅くなって申し訳ありません。

ようやく戻ってきましたので、長い間 拝読できなった皆様のブログを これから訪問させていただきますね。ひとまず皆様の記事のタイトルだけを遡ってみると、膨大な量になりました。ゆっくり少しずつ楽しみに読ませていただきます。

 

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えっ、年が明けて もう7日!

★「お年玉を預け入れに行く」という娘 (小焼け )と共に 銀行に行った。いつもなら 正月三が日の初売りを楽しみに ショッピングモールに出かけるのに、今年はコロナ禍で ひたすらステイホーム。小焼けが言うには「高校合格が決まったら思いっきり買い物に行くから、それまではお年玉を貯金しておく」のだそうだ。 

 

ATMには先客があった。幼稚園児らしき男の子と 小学生のお兄ちゃん・お姉ちゃんの三兄弟と お母さん。幼稚園児は、今まではお母さんにして貰っていた ATM の操作を、今年は初めて自分でするのかな?という雰囲気があった。ゆっくりと画面を押している。「3,7,0・・・」。「そんなに大きな声で言っちゃだめ」とお姉ちゃんが優しい声で止める。 『あらら、それって暗証番号なの?』と思いつつ「3・7・0・・・」と頭の中で復唱している自分がいる。(見ず知らずの少年の暗証番号を記憶して、いつどこで使おうというの? 私) 

 

「あれ?」と少年が言う。エラーが出たらしい。 画面を覗いたお兄ちゃんが「ゼロが多すぎるよ~」と教える。「そっか」と言いつつ、少年はまた最初からやり直している。

ん? 暗証番号じゃないの? そういえば、5桁の暗証番号ってないよね。じゃあ、3・7・0・・・ってなぁに? 入金なら自分で金額を入力しなくても ATM が自動で数えて「金額はこれで間違いないですか? よろしければ『確認』を押してください」などと画面に出るよね?

ってことは、出金? そっか、今年貰ったお年玉を自分名義の通帳に 一旦 全額入れて、その後に 自分が欲しかったものを購入する代金を引きだそうとしているのかな? ( 小焼けは 幼い頃からそうしてきた)。  3700 円おろすのね。幼稚園児にしては大金。彼は何が欲しいのだろう? 嬉しそうだ。 傍らのお母さんは、少年とお姉ちゃん・お兄ちゃんの様子をニコニコしながら見守っている。 

コロナ禍の中にも、何気ない日常の 穏やかな情景がある。

 

自分の口座に入金を済ませた小焼けが、帰りの車の中で言う。「あの子、 3 万 7 千円も貯金を下ろすのかと、びっくりしたよ。ゼロを間違えて多く押したんだね。それにねぇ、最初に 3・7・0・・・って大声で言うから暗証番号かと思って、覚えそうになったよ」。だからですね、娘よ。よその子の暗証番号を覚えてどうするの?って話ですわ。・・・って、私もだったわ・・・。 

 

★今年はインターネットを介して、実家の両親の顔を見ながら会話をするという、今まで経験したことのない新年の幕開けとなった。

画面の向こうから 母が言う。「ねぇ、紅白で『パプリカ』を見た? 去年のお正月は、おばあちゃんの部屋で この曲を みんなで踊ったりして賑やかに過ごしたのにねぇ。明るい曲なのに、なんかしみじみとしちゃったわよ。」 

まだコロナの存在そのものが伝わっておらず、祖母への面会も何の心配もなくできた昨年のお正月のことを思う。「おばあちゃんも、口や身体を動かして 一緒に踊い踊っているように楽しそうだったよね」とその時の情景を思い浮かべながら、皆がそれぞれに話す。 それから、昔話にまで遡って ひとしきり祖母の話に花が咲く。

「こうやってみんなで話していると、ひいおばあちゃんは、ちゃんとここにいるね」と小焼けが言う。うんうん、姿は見えなくても、(ひい) おばあちゃんはちゃんと私達と一緒にいる。 

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 「ねぇ、おじいちゃんと おばあちゃん。今年の抱負はなぁに?」と唐突に小焼けが尋ねる。

「抱負かぁ」としばらく考えこんで父が答える。「死なないで、生き抜くことだな」。

傍で母が付け加える。「ただ生き抜くんじゃないわよね、お父さん。美味しいものを食べて、言いたいこと言って、笑いながら生き抜くのよね、私達」。

「死なないこと」が年の始めの決意だなんて、今までならジョークとして捉えるところなのに、時期が時期だけに現実味を帯びて伝わってくる。切なくさえある。

でも、負けずにめげずに一歩一歩進んで行くしかないよねぇ。よっし、がんばろう♪

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★このような、備忘録みたいな拙い日記ブログを訪れてくださる皆様。ありがとうございます。

コロナ禍で不安を抱えたままの新年の幕開けになってしまいましたが、人間のたくましさと 希望を支えに進んでいきたいと思っています。

皆様にとって健やかで豊かな年になりますよう、お祈りしております。

 

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